日本人の糖尿病患者数は600万人以上、予備軍は1500万人以上と推測されています。
食物中の糖質(ブドウ糖)はインスリンによって体の細胞(骨格筋、心臓、脂肪細胞)に取り込まれます。

糖尿病とは、このインスリンの量が減ってしまったり、働きが悪くなってしまった状態のことで、体に様々な悪影響を及ぼし、重症になると命の危険もある恐ろしい病気です。

歯周病を引き起こす歯周病原菌の多くは、自分たちの体の周りにリポボリサッカライド(Lipopolysaccharide、LPS)という物質を持っています。
このLPSは内毒素で人体の細胞に様々な影響を与えるのですが、その中で人体の細胞の一つのマクロファージという細胞はLPSに反応してTNFαという物質を出します。

このマクロファージから出されたTNFαがインスリンの働きを抑えてしまい、インスリン抵抗性が増して糖尿病が悪化してしまうのです。

また、コントロールされていない糖尿病の患者さんは傷の治りが悪く、免疫機能が低下して歯周病菌の増殖を助長してしまい、歯周病がさらに悪化するという悪循環に陥ってしまいます。