床矯正治療は、拡大床・機能訓練・食育を3つの柱とし顎顔面骨の発育と口腔機能の発育を促し結果、抜歯をすることなく歯並びが良くなるというものです。 

  • 床矯正治療によって歯並びが改善し審美的に改善する。
  • 歯並びが改善することで虫歯や歯周病のリスクが減る。
  • 口腔や鼻腔の拡大・舌の姿勢・機能改善により呼吸が改善する。(いびき・睡眠時無呼吸症候群の改善)。
  • 口唇の機能訓練により口角の挙上、ほうれい線の改善。

 床矯正治療の一番重要な目的

食事の時に切端位(上顎と下顎の切歯の先端をあわせて咬むこと)で食いしばることで下顎枝が成長し臼歯の咬合高径が高くなり下顎の前方回転を促す。

要するに歯並びがよくなり、お口の手入れがしやすくなり、呼吸が楽になって、本来なるべき一番いいお顔に育つということです。

床矯正治療の一番重要な目的は楽に呼吸をするための気道を確保するということです。そのための手段として下顎骨を含めた中顔面骨をそだて正しい咀嚼をする・鼻呼吸をすることで歯並びはかってによくなって行きます。したがって骨が育つのを妨げるような抜歯は行いません。(但し現代人は智歯が正しく生えるほど顎の余裕が無いので親知らずは抜歯します。

また骨の成長が望めない成人や歯列と歯の幅径との差が極端に違う場合は抜歯する場合がありますがあくまでも最後の手段です)

床矯正治療は下顎を含め主に中顔面骨を育て気道を確保することを目的としていますから治療の開始時期は理想的には下の前歯が生え変わる時期です。6歳くらいでしょうか。

基本的には乳犬歯の間に大人の前歯4本の生えるスペースを作ってしまえばいいので犬歯が生え変わるまでにこの作業を完成させてしまえば装置も簡単で費用も安くすむことが多いです。側方歯群(犬歯と小臼歯)が生え変わるまでに上述の作業が間に合わないと治療が複雑になり費用もかさむことが多くなります。

なるべく小さいうちに始めることをお勧めします。

但し単純な狭窄歯列や叢生(ガチャガチャの歯並び)の場合は永久歯列になってからでも大丈夫なことも多いです。 

拡大床は着脱式で基本的には一日12時間以上の装着が必要です。しかし小学校の低学年では一日12時間の装着時間は十分に確保できると思いますが高学年になると習い事も増え、ましてや中学生や高校生では部活動もあり一日12時間の装着は物理的に不可能になってしまいます。

装着時間が短いSHAタイプ

こんな人にお勧め

  • 床矯正治療はしたいけど一日12時間の装着時間は守れそうにない人。
  • 部活動や習い事で12時間の装着時間を確保できない中学生や高校生。
  • 対人関係の仕事で家にいる時にしか装着時間が確保できない社会人

こんな人にお勧めなのが8時間の装着時間でも効果が得られるSHAタイプです。12時間タイプのものが自分でねじを巻かなければならないのに対しSHAはスプリング式で自分でねじを巻く必要がありません。

これだと中学生や高校生・大人でも睡眠時間プラスアルファで装着時間をクリアできます。

SHA下顎用

SHA下顎用

SHA上下顎

SHA上下顎

SHA上顎用

 SHA上顎用

機能訓練は大切です

舌の姿勢位(ボスチャー)の訓練

口開け・ロ呼吸・舌前突など舌の悪癖・爪咬み・頬杖などの悪習慣の除去。

特に口開け・ロ呼吸は最悪です。放置しておくと本来なるはずであったお顔とは程遠い残念なお顔になるばかりか上咽頭に自覚症状のない炎症が常に存在しこれが原因で体のあちらこちらに悪影響を及ぼしてしまいます。