お口周りの癖はありませんか?~口腔習癖がもたらすトラブル~

お口の観察は大切

皆さん自身やみなさんのまわりにはさまざまな癖を持った人がいると思います。

例えば、貧乏ゆすりをする癖がある人や、頬杖をつく癖、足を組む癖がある人など様々です。今回はお口周りの癖についてお話しします。

口の周りの癖は口腔習癖

口腔習癖とは、のどの部分からお口にかけて無意識的に繰り返して行う癖のことをいいます。口腔習癖にはどのようなものがあるのでしょうか。

1.咬唇癖

咬唇癖とは下唇を噛んだり、爪や皮膚を噛んでしまう行為のことを言います。

一つのことに集中している時や、考え事をしていて無意識に噛んでしまうということが多いようです。

2.吸唇癖

吸唇癖とは、文字のとおり唇を吸ってしまう癖です。

下唇を吸うことで上の前歯が押し出され、出っ歯になったり、上唇をすうことで受け口のようになってしまうことがあります。

3.拇指吸引癖

いわゆる指しゃぶりのことです。指しゃぶりをすることで、出っ歯や開咬(歯がかみ合わず開いている状態)などの不正咬合につながります。

指以外にもタオルや毛布などを噛む癖も歯並びに影響を与えます。

4.態癖

態癖とは無意識に行う癖のことです。

例えば、頬杖をつく、寝るときに左右どちらかに寝る方向が偏る、食事中にどちらかの歯で噛んでしまう、姿勢が悪いなどがあります。

5.口呼吸

口呼吸も口腔習癖となります。これは、鼻が詰まって一時的に口呼吸となっている場合などではなく、無意識的に口呼吸の癖がある人のことをいいます。

口呼吸の人はお口が長時間開いているため、顎の筋肉や成長に影響をあたえて不成咬合を起こしやすく、お口が開けっ放しのため、口腔内が乾燥し細菌が増えることで虫歯などのトラブルになりやすくなります。

6.舌突出癖

舌突出癖とは舌を前に突き出す癖です。日常的に行っている人もいれば、食事を飲み込む(嚥下時)時のみ行っている人もいます。

舌突出癖の方は舌で歯が押されるため開咬や出っ歯になりやすくなります。

口腔習癖に治療法はあるのでしょうか

皆さんもお分かりのように日常的に行ってしまっている“癖”を治すことは簡単ではありません。無意識的に行っていることは意識してやめてもらうことになります。

トレーニングをすることで効果があるとも言われています。

口腔筋機能療法とは

そのトレーニング法が口腔筋機能療法です。

口腔筋機能療法には発音や嚥下、咀嚼のトレーニングや口唇を閉めるトレーニング、舌を挙上(高くする事)させることにより筋力をあげるトレーニングなどがあります。

癖というものは自分ではあまり気付きにくいものです。

口腔習癖は上記のようにお口の中に様々なトラブルを招きますので、気になる人は自分に癖はあるか周りの人に聞いてみるのも良いかもしれませんね。