高齢者に対する食育
「食べる機能」は生きていく上でかかせません。
口は食べ物が入っていく最初の入り口になります。栄養の摂取だけが目的ではなく、美味しい物をみんなで食べれば表情が豊かになり心身が活発になります。そして毎日の生活が充実してくると言えます。
ただ単に栄養を取れば良いという分けではありません。口からしっかり食べる事で、唾液も出て口の中もきれいになります。そうする事でいっそう食べ物の味を楽しむ事ができます。
硬いものが食べれればお漬物の食感なども感じられます。
年を取れば取る程、生活の中での食の比重は大きく大切なものになってきます。食べる機能を残すことは大変重要といえます。
今は高齢で歯が無い人には、インプラント、義歯など様々な治療法があり咀嚼機能を取り戻す事ができます。しかし人によっては、口が動きずらい、麻痺がある人、認知症の方はスムーズな咀嚼機能を取り戻すのが難しい場合があります。なのでその方々に合った食べ物を選択して摂取していく必要があります。
例えば硬い物が食べにくい人には、軟かい物を中心とした食事に変更します。無理して硬い物に時間をかけて食べるのではなく、軟かいものを美味しく適切な時間で食べる事ができます。
例えば、硬い物を2時間かけて毎日食べていた人がいたとします。しかし、その人に合った食事を食べる事で、30分ですべて美味しく食べられたとすれば栄養もしっかり取れますし残りの1時間30分を有意義に過ごせます。
食べることが難しい人には食物の形を変えて小さくしたり、食物の大きさを工夫します。一口大や、みじん切りなどその人に合わせる事が必要です。とろみなどをつける事により誤嚥防止になります。介護現場では、一回にスプーンで食べさせる量を調整する事で格段に食べやすくなります。個人に合わせての食事が大切になります。
他には調理の工夫によっても美味しく食べることができます。
高齢者の施設の食事の調理に、真空低温調理器を使う施設が増えています。この機械を使うことにより、食材を軟らかく調理できます。温度を上げずに調理できるのでビタミンなどの栄養を壊さず、美味しく軟らかく調理できるのが特徴です。素材そのものの味をしっかり味わえるので調味料が少量で済みます。
包装内の水分が一定になり均等に加熱される。
無酸素調理法である為に味が均等。
乾燥による味の変化や褐変がない。
手に触れないので衛生的である。
など高齢者の方々が美味しく食事できる調理法といえます。
高齢者の方がどんな物を食べれるか、口腔内状態がどのような状態なのか身近な人が確認して把握することが大切です。どのくらいの硬さのものなら食べられるのか知ることも重要になってきます。適切な食事を適切な環境で食べれるように協力していきましょう。
高齢者の方の食生活を第一に充実できる環境作りから始めましょう。