歯の表面が白い?~エナメル質形成不全症って?~
歯の表面に白く白濁した部分があったり、歯の表面が溶けたように茶色っぽくみえることがあります。これは、虫歯の場合もありますが、虫歯ではなくエナメル質形成不全症という症状のことがあります。
今回はこのエナメル質形成不全症について詳しくお話しします。
エナメル質形成不全症ってなに?
エナメル質形成不全症とは、歯の表面のエナメル質が生まれつきうまく作られないことで、白く白濁したり茶色くなったり、少し欠けた状態の歯になることです。
名前の通りエナメル質の形成が不十分なため、その部分の質が弱くなります。
これは永久歯にも乳歯にもみられます。
エナメル質形成不全症の原因は?
原因は、遺伝性の疾患、お母さんのお腹の中でビタミン不足やホルモン異常、栄養障害などの全身的障害で、歯の形成が一時的に阻害されることで起こる場合があります。
また、乳歯に外傷を受けた場合や、乳歯の虫歯が大きくて長期間化膿状態にある場合に、あとから生えてくる後続永久歯に影響が出る場合があります。
できやすい部位はどこ?
エナメル質形成不全症は特に前歯と第一大臼歯(6歳臼歯)にみられます。
奥歯の場合は、歯科医院などで指摘されて気づくことが多いですが、前歯の場合は自分でも鏡を見たときによく見えるのでわかりやすいです。
エナメル質形成不全症のデメリットは?
エナメル質形成不全症の症状が出ている歯は、白濁していたり、茶色くなってしまっていたりして見た目が目立つため、審美的に気になることが多いです。
奥歯にできたものについては、虫歯になりやすく、虫歯の進行が速いので注意が必要です。
見た目が気になる場合は治療をすることも可能
特に見た目が気になる前歯の場合は、白濁している部分を削って、歯の色に合わせたレジン(プラスチックの詰め物)をしたり、ラミネートベニアという歯の表面につけ爪のようなものをはって治療します。
虫歯になっている場合は、ほかの虫歯と同様に治療します。
予防することは可能?
エナメル質形成不全症自体を予防することはできませんが、その歯が虫歯にならないように、定期的に歯科健診をしたり、フッ素入りの歯磨き粉をつかったり、歯科医院でフッ素を塗布して歯質を強化していきます。
また、奥歯の溝の部分はシーラントなどの予防充填をすると良いでしょう。
自己判断せずに歯科健診を!
自分で見てみてこれは虫歯かなと思っても虫歯ではない可能性もありますので、自己判断せずお近くの歯科医院へ相談してみてください。